法と論理Ⅱ(論理トレーニング)
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 法と論理Ⅱでは論理学の応用力を養います。なお命題論理学の「統語論」は思考の論理的形式Ⅰで、「意味論」は旧課程思考の論理的形式で学習できますから、あわせて履修すれば論理的な思考力(そんなものがあると仮定して)が身につくでしょう。
 とりわけ、順序だてて思考を展開する習慣ができるようになることに眼目とします。一学期(後期)の授業のスローガンは「場合わけ」を習得すること。この目標を目指し、手代え品を代え、いろいろな問題にチャレンジしていきます。

1. 集合の要素の数[教科書:田辺勉(1993)20-23ページ。]
[授業目標]集合の交わり・結びの要素の数を求めることができる

 論理学とはつまるところアルゴリズムの習得であり、何か新しいことを発見するわけではないのです。きまった手続きを順を追ってやっていけば、必ず解ける、それが論理学です。順を追うということで重要なのは、枝分かれする可能性を網羅(「場合わけ」)することです。

【AとBに場合わけするさいの注意】
一、AとBがすべての可能性を網羅しているか。→場合わけの重要性。
二、Aの場合、一体何を前提にしているのか明確な意識をもつこと。→前提の自覚

1. 集合の要素の数[教科書:田辺勉(1993)20-23ページ。]
2. キャロル表[教科書:田辺勉(1993)23ページ。]
3. 最小人数[教科書:田辺勉(1993)24-26ページ。]
4. 対応関係  対応表:場合分けを学ぶ     宿題パズル[教科書:田辺勉(1993)36-37ページ。]
5. 順序関係  パズルを解く:場合分けを学ぶ 宿題パズル[教科書:田辺勉(1993)80-82ページ。]
6. 順序関係  平均値や記号を使って考える[教科書:田辺勉(1993)84-87ページ。]
7. 論理を磨く(1)  条件関係の応用(鈴木『論理的思考の技法I』に準拠)
8. 論理を磨く(2)  条件関係の応用(鈴木『論理的思考の技法I』に準拠)
9. 論理を磨く(3)  演繹ということ(鈴木『論理的思考の技法I』に準拠)   問題解説
10.小テスト  解説
11.場合分けを学ぶ リーグ戦・トーナメント戦[教科書:田辺勉(1993)122-125ページ。]
12.場合分けを学ぶ 発言推理  GW式[教科書:田辺勉(1993)100-105ページ。]
13.場合分けを学ぶ 発言推理  番町式   参考書から問題を出す
14.場合分けを学ぶ 操作の手順・天秤の問題[ 教科書:田辺勉(1993)第九章。]
15.場合分けを学ぶ 順列・組み合わせ・三角形の重心の証明[教科書:田辺勉(1993)第十章。]

 「場合わけ」を習得する第一歩として、集合の要素を数えることから、スタートします。一番手近な問題は、倍数の集合の要素を数える問題でしょう。

 補集合の表記:変則的ですが、ブラウザの関係により¬を使います。Aの補集合=¬A

 三つの集合の交わり・結びを考える場合、次の八通りの組合せに場合分けする必要があります。

A × × × ×
B × × × ×
C × × × ×

〔問い〕30以下の自然数で2の倍数または3の倍数または5の倍数の集合の要素の数を求めたい。
一、2の倍数の集合の要素の数を求めよ。
二、3の倍数の集合の要素の数を求めよ。
三、5の倍数の集合の要素の数を求めよ。
四、6の倍数の集合の要素の数を求めよ。
五、15の倍数の集合の要素の数を求めよ。
六、10の倍数の集合の要素の数を求めよ。
七、30の倍数の集合の要素の数を求めよ。
一+二+三-四-五-六+七=?

2の倍数 3の倍数 5の倍数 6の倍数 15の倍数 10の倍数 30の倍数 いずれかの倍数
15個 10個 6個 5個 2個 3個 1個 22個

三つの集合について、各々要素の数がわかっているとき、結びの要素の数はどのようにして、求まるか。
〔問い〕補足:①2または3の倍数の集合の要素の数はいくらか。②3または5の倍数の集合の要素の数はいくらか。③5または2の倍数の集合の要素の数はいくらか。

 話は前後しますが・・・二つの集合の交わり・結びを考えるなら、次の四つの場合に場合分けする必要がある。→ベン図を書こう。

A × ×
B × ×

〔問い〕(1)50人の学生がA,B二つの試験を受けた。Aの合格者は40人,A,B両方に合格した者は30人、A,B両方の不合格者は5人であった。Bに合格した学生の数は何人か。
(2)Aに不合格でBに合格した学生の数は何人か。

〔問い〕Uは15以下の自然数の集合、AとBはUの部分集合である。A、A∩B、¬A∩¬Bの要素の個数がそれぞれ8、2、4であるとき、Bの要素の個数を求めよ。[→『高校への数学80年度版』東京出版、18ページ。]

〔勉強のすすめ〕1~100までの数が1つずつ書かれた100枚のカードがある。このなかから、或る2ケタの整数xで割り切れる数の書かれたカードを取り除いたところ、取り除かれたカードは4枚あった。さらに、残ったカードのなかから8で割り切れるカードを取り除いたところ、新たに取り除かれたカードは11枚であった。このときxはいくらか。
 

2.キャロル表[教科書:田辺勉(1993)23ページ。]
[授業目標]八つの部分集合からなる集合の要素の数を求められる


A∩B∩C   の部分を―棒で塗りなさい。
A∩¬B∩¬Cの部分を/棒で塗りなさい。
A∩¬B∩C の部分を|棒で塗りなさい。 

〔問い〕(NO.1)ある中学校で1年生のA組とB組の生徒に対して、先月の学校図書館の利用状況を調査したところ、83人の生徒が利用したことがわかった。また生徒の組別、性別の図書の貸出の状況はア~エのとおりであった。このとき図書を借りたB組の女子生徒は何人か。
ア:男子生徒の利用者は36人であり、このうち11人はA組の生徒であった。
イ:A組の生徒の利用者は38人であり、このうち7人は図書を借りなかった。
ウ:図書を借りた生徒は61人であり、このうち24人は男子生徒である。
エ:図書館を利用したものの図書を借りなかったB組の女子生徒は、図書を借りたA組の男子生徒の4分の3である。[→資格試験研究会、2002、『新スーパー過去問ゼミ 判断推理』実務教育出版、17ページ。]

 キャロル表の「本質」は、八通りの場合分けに尽きる。地道に表に書き込んで行き、すべての集合を網羅するように心がける。後は方程式を解くだけ。
〔勉強のすすめ〕60人の学生は3つのクラブのいずれかに入っているものとし、それらクラブに属する学生の集合をA、B、Cとする。A、B、Cの集合の人数を42人、36人、27人、とし、A・B・C共に属する人数を10人、さらにAかつBに属する人数を26人とするとき、Cのみに属する学生の数を求めよ。キャロル表を使って解くこと。

〔勉強のすすめ〕A社、B社、及びC社の3社合同説明会に訪れた応募者100人の内定状況を調べたところ、次のア~ウのことがわかった。
ア:A社だけから内定を受けた者、B社だけから内定を受けた者、C社だけから内定を受けた者及び3社すべてから内定を受けた者の数の比は、5:4:3:2である。
イ:A社とB社の2社から内定を受けた者と、C社とA社の2社から内定を受けた者は、いずれも9人であり、B社とC社の2社から内定を受けた者は6人である。
ウ:1社以上から内定を受けた者は、いずれの会社からも内定を受けていない者より4人少ない。
A社から内定を受けた者は何人か。[→資格試験研究会、2002、『新スーパー過去問ゼミ 判断推理』実務教育出版、12ページ。]
 

3.最大人数・最少人数[教科書:田辺勉(1993)24-26ページ。]
[授業目標]交わりや結びの要素の数が、どのような範囲に収まるか押さえる

 人からなる集合A、Bについてn(A)、n(B)がわかっているとき、A、Bの結びの最大人数を知りたい。
A、Bの結びの人数=n(A∪B)=n(A)+n(B)
-n(A∩B)だから、最大値はA∩B=∮、つまりn(A∩B)=0のとき、max n(A∪B)=n(A)+n(B)
 全体の人数がNならば
 n(A∩B)=N-n(¬A∪¬B)の最小人数はn(¬A∪¬B)が最大値をとるとき。すなわち¬A∩¬B=∮(つまりn(¬A∩¬B)=0,A∪Bの補集合の要素の数が0のとき)max n(¬A∪¬B)=n(¬A)+n(¬B)=N-n(A)+N-n(B)
 よってmin n(A∩B)=N-(N-n(A)+N-n(B))=n(A)+n(B)-N

〔問い〕生徒数50名のあるクラスで行ったテストの正解者数は、問題番号1: 39人、問題番号2: 38人、問題番号3: 41人であった。
(1)1題もできなかった生徒の人数は最も多いときで何人か。
(2)問題1と2がともにできた生徒の人数は最も少ないときで何人か。

http://kazuto-phil.under.jp/newpage20.html
〔勉強のすすめ〕買い物上手のA君に、B、C、Dの三人が1000円ずつ出して、3000円のレコードを買うことを依頼した。A君は500円だけ値切って買い、200円を着服して残り300円とレコードを三人に渡した。三人は喜んで、おつりを100円ずつわけた。
 さてB、C、Dは一人900円ずつ出したことになるので、三人の出費はあわせて2700円である。これにA君が着服した200円を加えると2900円になり、最初の3000円より100円少ない。
 不足の100円は、どこに消えたのだろうか?[→野崎昭弘、1976、『詭弁論理学』中公新書、13-14ページ。]

〔勉強のすすめ〕大学生40人にアンケート調査を行ったところ、フランス語を話せる人は32人、ドイツ語を話せる人は28人、中国語を話せる人は20人、スペイン語を話せる人は18人という結果が出た。このことから確実に言えるのは、次のどれか。

1.フランス語と中国語の2か国語を話せる人は、少なくとも12人いる。
2.中国語とスペイン語の2か国を話せる人は、1人もいない。
3.フランス語とドイツ語と中国語の3か国語を話せる人は、少なくとも1人いる。
4.フランス語と中国語とスペイン語の3か国語を話せる人は、少なくとも1人いる。
5.ドイツ語とスペイン語の2か国語を話せる人は、少なくとも8人いる。[→資格試験研究会編、2002、『新スーパー過去問ゼミ 判断推理』実務教育出版、18ページ。]

4. 対応関係[教科書:田辺勉(1993)36-37ページ。]
[授業目標]色々な条件のついた対応関係の表を作れるようになる

 単純な対応関係、つまり一対一対応のとき、一つが合致していれば、他の対応は成り立たない、と考えてよい。

〔例題〕A~Dの4人はある大学の留学生でそれぞれ国籍が異なり、アメリカ人、イギリス人、フランス人、ドイツ人のいずれかである。ある日の4人の出会い方について、次のことがわかっている。
・Aはアメリカ人には会ったが、Dには出会わなかった。
・Bはイギリス人とフランス人には会った。
・Cはイギリス人には会わなかった。
・Dはフランス人には会った。[→資格試験研究会編、2002、『新スーパー過去問ゼミ 判断推理』実務教育出版、77ページ。]

A ×
B × ×
C
D ×

Dが会ったフランス人はAではない。故にAはフランス人でない。
またAが会ったアメリカ人はDではない。故にDはアメリカ人ではない。

A × ×
B × ×
C × × ×
D × ×

よってCがフランス人。したがってCはアメリカ人でもイギリス人でもドイツ人でもない。ゆえにBはアメリカ人。したがってBはドイツ人ではない。
Cのフランス人はイギリス人と出会わなかった。よって、フランス人に会ったDはイギリス人ではない。故にDはドイツ人である。残りのAがイギリス人である。

 間接条件の取り扱い:①一対一対応していない場合は欄外に数を書き込む。②表に収まらない条件は「ひっかけ」によって注記する。
田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、37ページ、例題【3―2】より 改変。A~Dの4人が4日間でテニスの試合を行った。1日目から4日目まで毎日1試合ずつ行われ、同じ組合せはなかった。各人2試合ずつ戦ったとき、対応表を作れ。ただし、以下の条件を満たしていなくてはならない。
ア 同じ人が1日目と2日目に試合をしたということはなかった。
イ Bは4日目に試合をした。
ウ Dは3日目に試合をした。
エ AとDの対戦はなかった。

 配布プリント問題のNo.91,No.92,No.93,No.95をやること。

〔宿題パズル〕繁・誠・健のおのおのが、弟・妹・父を連れて、それぞれ海・山・川に行ったとする。
・弟と一緒に海に行った人がいる。
・誠は山に行った。
・繁と妹は一緒だった。
では健はどこに行ったでしょう。

× × × ×
× × × ×
× × × ×
× ×
× ×
× ×

〔宿題〕同種の判断推理問題(対応関係)を宿題として出します。e-mailで解答を送ってきてください。

〔宿題〕あるレストランでは、毎日夕方になると、ピアニストが生でピアノを演奏している。ピアニストはA~Eの5人で、毎週同じ曜日に演奏している。各自の演奏日程について、以下のア~カが分かっている。ただし、日曜日はレストランの閉店日であり、演奏は行われていない。
 ア Aは毎週1回だけ演奏している。
 イ Bは毎週3回演奏しているが、木曜日演奏していない。
 ウ Cは毎週5回演奏している。
 エ Dは毎週3回演奏しているが、2日連続では演奏していない。
 オ BとEはともに、金曜日と土曜日は演奏している。
 カ 毎日、演奏者は多くとも3人までである。
AとBがともに演奏している可能性のある曜日を過不足なく列挙せよ。[→伊藤真監修、2003、『適性試験トレーニング問題集』中経出版、129ページより改変。]

5.順序関係[教科書:田辺勉(1993)80-82ページ。]
[授業目標]順序関係の問題でも連立不等式を解かない類の問題に慣れる

 色々なパターンの問題があります。
■数量較差を含まない場合→不等号・ハイフン・括弧などを使う。
・AはBより順位が上であった・・・・・・A>B
・CはAの次であった・・・・・・・・・・・・・A-C
・DはAの次の次であった・・・・・・・・・A-()-D
・EとAの間には2人いた・・・・・・・・・・A-()-()-E、E-()-()-A

田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、80ページ、例題【5―1】。6人のマラソン。C>F①   C-()-()-DまたはD-()-()-C②    A>B③   F-()-E④
仮に②よりD-()-()-Cとすれば①・④よりD-()-()-C>F-()-E よって7人以上になり仮定に反する。
仮に②よりC-()-()-Dとすれば①・④よりC>F-()-Eを充たす順序は、C-()-F-D-E。
③よりA-C-B-F-D-E、またはC-A-F-D-E-B

 ポイント:②の二つの可能性に注目し、場合を分けて考える。

〔問い〕本棚にA~Hの8冊が①~⑤のように一列に並んでいる。このときどのようなことが確実に言えるか。
①AはCより左側にある。②BはDから左に4冊目である。③CはEより右側、Fより左側にある。④DはHの左隣、GはEの右隣にある。⑤Eは左から3冊目でない。
1.Aは左から4冊目である。
2.Bは左から2冊目である。
3.Dは右から2冊目である。
4.EとBは隣り合っている。
5.FとDは隣り合っている。[→資格試験研究会編、2003、『上・中級公務員試験 判断推理』実務教育出版、43-44ページより改変。]
〔略解〕
⑤は最後に点検するものとする。
Aが一番左で仮にGの右隣がBなら、②・④より本が9冊以上。仮定に反する。
Aが一番左で仮にCの右隣がBなら、
  以上。仮定に反する。
したがってAが一番左で考えうる順序は                         ・・・ア

Eが一番左でGの右隣がAなら、②・④より本が  以上。仮定に反する。
Eが一番左でGの右隣がBなら、考えうる順序は                         ・・・イ
Bが一番左でその右隣がAなら、考えうる順序は                         ・・・

Bが一番左でその右隣がEなら、考えうる順序は                         ・・・
ア~エのうち、条件⑤を充たすのはどれか。
※注意:ここでも重要なのは場合分け。

〔問い〕A~Fの6人について次のことがわかっている。女性は1人だけで、Bより年上である。Aの弟はCより1歳年下である。Eの姉はCより年下である。A~Fの6人のうち同年齢の者はいない。このとき女性の年齢は4番目であると推理してよいか。[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、80ページ、例題【5―1】]

■数量較差を含む場合:単に差しか分からないときは、数直線上で考えるより、場合わけを樹の枝の図で表したほうが見やすい。基準となるものを±0となるものを決めて、両開樹形図にしてみるとよい。n個だと2^(n-1)の場合分けが必要となってくる。
〔問い〕A~E5人の身長差について以下のことがわかっている。
ア:AとBの身長差は2cmである。
イ:BとCの身長差は4cmである。
ウ:CとDの身長差は2cmである。
エ:DとEの身長差は8cmである。
オ:EとAの身長差は4cmである。
 以上から判断するとき、確実にいえることは次のうちどれか。
1.1番身長が高いのはCかDである。
2.2番目に身長が高いのはAかDである。
3.3番目に身長が高いのはAかBである。
4.2番目に身長が低いのはBかDである。
5.1番身長が低いのはCかEである。[→資格試験研究会編、2002、『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 判断推理』実務教育出版、97ページ。]

6.順序関係[教科書:田辺勉(1993)80-82ページ。]
[授業目標]色々な順序関係にかかわる数的処理ができるようになる

■数量較差を含む場合:一般に数直線で考えるのが基本である。平均が基準となる場合は、平均値を0として較差を考える。

〔問い〕アキラ、カズト、サトル、タカミ、ナオキ、ハジメの小学生6人が身長を測ります。どれだけ背が伸びたか、みんな気になります。
前回測ったときは、もっとも高いアキラから名前の50音順に1㌢ずつ低かったのです。それ以降、8、7、5、4㌢伸びた子が1人ずつ、6㌢伸びた子が2人います。アキラは1番でなくなり、タカミは4番から3番に。でも、6人の身長は今も1㌢ずつ違います。現在の順番は?
〔考え方〕以前一番低かったPと今回測った人の身長差が一番小さい人とx㌢違っていたとすると
x+(x+1)+(x+2)+(x+3)+(x+4)+(x+5)=(0+1+2+3+4+5)+(4+5+6+6+7+8) 故に6x=36、x=6
 以前一番低かったP0と今回測った人の身長差は低い順に6、7、8、9、10、11㌢。したがって各々をA6、A7、A8、A9、A10、A11と呼ぶことにします。ちなみに以前の高さの順でいくとP0、P1、P2、P3、P4、P5
表に各々の伸びた長さを書き入れなさい。

A6 A7 A8 A9 A10 A11
P0
P1
P2
P3
P4
P5

〔解答〕タカミとP0との身長差が2→9㌢になったことに注目すると7㌢伸びたことになる。アキラはP0との身長差が5→8㌢、5→9㌢(タカミの現在の身長)になったことはありえないから、5→10㌢(一番ではない)。したがって5㌢伸びたことになる。すると現在P0との身長差が11㌢の人は4→11㌢(タカミの身長差分伸びたこと)もないし、アキラが該当するわけでもないので、身長差は3→11㌢に変わったと推理できる。つまり8㌢伸びた。以上からP0は4、5、7、8㌢伸びたとは考えられず、0→6㌢伸びた。P1は4、5、7、8㌢伸びたとは考えられず、1→7㌢で6㌢伸びた。P2はタカミだから、2→9㌢。P3は3→11㌢。P4は残りの4㌢伸びた。したがって4→8㌢。P5は5→10㌢。

〔問い〕A~Fの6社の売り上げが以下のような場合、大小関係を比較せよ。
ア A社はC社より300万円少ない。
イ B社とE社の差は200万円である。
ウ C社はD社より1200万円多い。
エ D社とF社の合計はA社に等しい。
オ E社はA社の2倍である。[→資格試験研究会、、2003、『上・中級公務員試験 判断推理』実務教育出版、41ページより改変。]
 

[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、80ページ、例題【5―1】より改変。]
〔略解〕A+B+C+D+E=0、A=3、E=-5よりB+C+D=2・・・①
|B-C|=3・・・②
D<A=3・・・③
B<D・・・④
②を場合分けする。B>CのときB-C=3、よってC=B-3・・・⑤
⑤を①に代入するとB+B-3+D=2、よってD=-2B+5、これを③・④に代入すると-2B+5<3、B<-2B+5、これを解くと1<B<5/3。これを充たす整数Bは存在しない。
よってB<C、だから②よりB-C=-3、よってC=B+3・・・⑥
⑥を①に代入するとB+B+3+D=2、よってD=-2B-1、これを③・④に代入すると-2B-1<3、B<-2B-1、これを解くと-2<B<-1/3.これを充たす整数Bは-1である。
例題 【5-5】
をやること。

〔宿題〕同種の判断推理問題(順序関係)を宿題として出します。e-mailで解答を送ってきてください

〔宿題〕A~Dの4人の中間試験と期末試験の成績はア~オのようであった。中間試験の平均点を仮に0とした場合、期末試験の得点はどうなるか。
ア 中間試験の4人の平均点はDに等しかった。
イ 期末試験の4人の平均点はDより低かった。
ウ 中間試験では、AはCより10点高く、BはDより8点低かった。
エ 期末試験では、AとCは12点ちがい、DはAより7点高かった。
オ 中間試験より期末試験のほうがCは8点、Bは3点低かった。[→資格試験研究会、、2003、『上・中級公務員試験 判断推理』実務教育出版、41ページより改変。] 

〔宿題〕A~Dの4人が10時に待合せをしたところ、各人の時計はいずれも正確ではなかっため、ア~カのようになった。このとき各人の時計は何分進んで/遅れているか。
ア Aの時計はBの時計よりも3分進んでいた。
イ Bが来たとき、Cの時計は9時55分だった。
ウ Cが来たとき、Aの時計は10時7分だった。
エ Dは5分前に着いたと思ったが、実際には5分遅刻した。
オ Bは10分遅刻したと思ったが、Dより2分早かった。
カ Aが来たとき、一番遅れている時計はちょうど10時だった。[→資格試験研究会、、2003、『上・中級公務員試験 判断推理』実務教育出版、42-43ページより改変。]
 

7. 論理を磨く(1)  条件関係の応用[→鈴木美佐子、2004、『論理的思考の技法Ⅰ』法学書院。]
[授業目標]逆・裏・対偶の問題を復習する

 一学期の復習です。以下でやることは、論理学の基礎中の基礎ですから、取りこぼしがないように、心がけましょう。

問一
文字面Pが漢字なら、その裏の数字面Qが偶数である」というならば命題があったとする。
① 今、Pが「知」でQが「8」のとき、PならばQは真か偽か。
② 今、Pが「キ」でQが「8」のとき、PならばQは真か偽か。
③ 今、Pが「キ」でQが「17」のとき、PならばQは真か偽か。
④ 今、Qが「8」でPが「キ」のとき、PならばQは真か偽か。
⑤ 今、Qが「17」でPが「知」のとき、PならばQは真か偽か。
⑥ 今、Qが「17」でPが「キ」のとき、PならばQは真か偽か。
問二
① 前衛映画ならエディプス的な精神分析的基礎をもっている。
かつドゥルーズ的映画といわれるものならエディプス的な精神分析的基礎をもっている。
これらの前提が正しいとき、前衛映画ならドゥルーズ的映画といわれるか。
② 前衛映画ならエディプス的な精神分析的基礎をもっている。
かつエディプス的な精神分析的基礎をもっているならドゥルーズ的映画といわれる。
これらの前提が正しいとき、前衛映画ならドゥルーズ的映画といわれるか。
③ 前衛映画ならエディプス的な精神分析的基礎をもっている。
かつエディプス的な精神分析的基礎をもっていないならドゥルーズ的映画といわれない。
これらの前提が正しいとき、前衛映画ならドゥルーズ的映画といわれるか。
問三
第三の候補が参戦しないのならば、大統領は再選されるだろう。
① 上の前提が正しいとき、第三の候補が参戦しなかったとする。そのとき大統領は再選されるは正しいか。
② 上の前提が正しいとき、第三の候補が参戦したとする。そのとき大統領は再選されないは正しいか。
③ 上の前提が正しいとき、大統領は再選されたとする。そのとき第三の候補が参戦していないは正しいか。

推論図で、→の向きが行きどまったら推論不可。また否定されているものは、否定されていないものと別物。 

 PならばQはPが真、Qが偽のときのみ、偽となる。
 真ならば真、偽ならば真、偽ならば偽のときは、PならばQは真。
 PならばQのとき、QならばPを逆、PでないならQでないを裏、QでないならPでないを対偶と言う。
 逆・裏は必ずしも真ならず。対偶のみ元の条件法と一蓮托生。

〔問い〕上の問題を踏まえて、四枚カード問題で「知」と「17」をめくらなくてはいけない理由を説明しなさい。

〔問い〕「文系の人は論理に弱い。O教授は論理に弱い。ゆえにO教授は文系である。」という推論が誤っている理由を挙げなさい。

〔問い〕「日本においては、犯罪の件数は増加している」「犯罪が増加しているなら、社会的不安は増す一方である」「日本においては、社会的不安は増す一方である」の前提、結論を検討し、この推論の正しさを検証せよ。

〔問い〕「単位を修得しているなら、履修登録している」の逆は正しいか。

〔問い〕「インフレならば、物価が上がる。アベノミクスが成功しているならば、インフレである。物価が上がるなら、アベノミクスが成功している。」という推論が誤っている理由を挙げなさい。

〔勉強のすすめ〕次のア~オがすべて正しいとした場合に、確実に推論できることを、下の①~⑤のうちから1つ選べ。
ア スキーヤーには、硬い雪よりもパウダースノーを好む人がいる。
イ スノーボーダーは、みな硬い雪よりもパウダースノーを好む。
ウ スノーモービルを運転する人は、みなパウダースノーよりも硬い雪を好む。
エ Aスキー場では毎朝、すべてのゲレンデを整備して硬い雪にする。
オ Bスキー場では毎朝、すべてのゲレンデを整備してパウダースノーにする。

① スキーヤーの中には、パウダースノーよりも硬い雪を好む人がいる。
② スノーボーダーはAスキー場ではスノーボードをしない。
③ スノーモービルを運転する人はみな、Bスキー場よりもAスキー場でスノーモービルを運転することを好む。
④ スノーボーダーの中には、Bスキー場よりもAスキー場でスノーボードをすることを好む人がいる。
⑤ スキーヤーはみな、Aスキー場よりもBスキー場でスキーをすることを好む。
[→伊藤真監修、2003、『適性試験トレーニング問題集』中経出版、25ページ。]

http://kazuto-phil.under.jp/newpage5.html

8. 論理を磨く(2)  条件関係の応用
[授業目標]推論連鎖を学ぶ


問一 次の文を同じ意味の条件法(ならば命題)の文にせよ。否定を少なくして、できるだけこなれた表現にすること。[→鈴木美佐子、2004、『論理的思考の技法Ⅰ』法学書院、57-58ページより改変。]

1太郎と花子の2人が一緒に外出することはない。
2紙に書かれたものでないものは何も文字ではありえない。
3すべてのワニは爬虫類である。
4キリスト以外に神はいない。
5単位取得の必要条件は、履修登録することだ。
6希望のロースクールに入学するためには、法学検定試験でよい点をとる必要がある。

問二 牧場主はみんな長い冬を嫌う。スキー場所有者は冬が長いと収益が上がるので長い冬を好む。スキー場所有者になるためには法律家でなければならない。法学部出身者以外は法律の勉強はできない。法律家ならば法律の勉強ができる。法律家を顧問にしていない牧場主はいない。
上記の文が正しいとき、次のどの結論が引き出されるか。一つ選べ。

A 長い冬を好まない人は牧場主である。
B 牧場主は長い冬を好む人を顧問にしない。
C 法学部出身者以外にスキー場所有者はいない。
D 長い冬を好まない人は法律の勉強をしていない。
E  法学部出身の牧場主はいない。[→鈴木美佐子、2004、『論理的思考の技法Ⅰ』法学書院、60-61ページより改変。]

〔問い〕以下の推論は正しいか。
論理的な人は理屈っぽい。淡泊な人は理屈っぽくない。それゆえ淡泊な人は論理的ではない。   正・誤  
論理的な人は理屈っぽい。理屈っぽくない人は淡泊である。それゆえ論理的でない人は淡泊である。    正・誤  
〔問い〕以下の推論は正しいか。 [→野矢茂樹、2006、『新版 論理トレーニング』産業図書、131ページより改変。]
 カフェインには眠気を取る作用がある。お酒にはカフェインは含まれない。だからお酒には眠気を取る作用がない。 正・誤  
 ヒント:カフェインには眠気を取る作用がある、を言い換えれば、カフェインが含まれていれば眠気を取る作用がある、となる。ここから、カフェインが含まれていなければ眠気を取る作用がない、を導くのは妥当な推論か。
〔問い〕以下の推論は正しいか。
 認識がア・プリオリでないならば、それは知覚判断である。認識がア・プリオリでないならば、それは必然的でない。それゆえ、知覚判断は必然的でない。 正・誤  
 ヒント:認識がア・プリオリでないならば、それは知覚判断である。これから、認識が知覚判断であれば、ア・プリオリでない、を導いてもかまわないか。
〔問い〕ア~オを前提にしたとき、論理的に導かれるのは1から5のうちどれか。[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、5ページ、例題【1―2】]
ア 国語が不得意な者は英語が不得意である。
イ 数学が得意な者は英語が得意である。
ウ 社会が得意な者は理科が不得意である。
エ 国語が不得意な者は理科が得意である。
オ 体育が得意な者は英語が不得意である。
1体育が得意な者は国語が不得意である。
2社会が不得意な者は理科が得意である。
3国語が得意な者は社会が得意である。
4英語が不得意な者は国語も不得意である。
5国語が不得意な者は数学も不得意である。

 

 AならばBという条件法が成り立つときAを十分条件、Bを必要条件と呼ぶ
 (AはB)=(AならばB)

〔宿題〕以下の問題の文章は正しいか、検討しなさい。
① 2の倍数の時だけ4の倍数である。
② 4の倍数の時だけ2の倍数である。
③ 2の倍数ならば4の倍数である。
④ 4の倍数ならば2の倍数である。
⑤ 2の倍数の中には4の倍数でないものが存在する。
⑥ 4の倍数の中には2の倍数でないものが存在する。
⑦ 3の倍数ならば2の倍数でない。
⑧ 2の倍数ならば3の倍数でない。
⑨ すべての整数は1の倍数でない。
⑩ 整数の中には、素数の積で表わせないものは存在しない。(注:1は素数でない)

9. 論理を磨く(3)  演繹ということ[→鈴木美佐子、2004、『論理的思考の技法Ⅰ』法学書院。]
[授業目標]論理的演繹とは何か、復習をする

次の中で論理的に導かれるのはどれか。[→一は野矢茂樹、2006、『入門!論理学』中公新書、23ページ。]
一、 手形には為替手形と約束手形がある。いずれも有価証券である。小切手は為替手形と似た性格ももつが、その経済的機能が異なるから、手形とは区別される。だから、小切手は有価証券とはみなされない。
二、 犯罪であるためには行為でなければならない。内心の意思や思想それ自体も行為ではない。よってどんなに邪悪・危険なことを考えていても、それは犯罪とはなりえない。
三、行為者自身に被害が発生するなら、犯罪が成立することがある。賭博行為は行為者自身に被害をもたらす。故に賭博行為は犯罪である。

以下は演繹と言えるか。演繹と言えないのなら、その理由を述べよ。[→二は野矢茂樹、2006、『入門!論理学』中公新書、14ページ。]
一、 著作権法第2条1項2号は、著作者を「著作物を創作する者をいう」と定義している。故に宇宙戦艦ヤマトを企画した故西崎義展は著作者人格権をもっていた。
 ※注意 宇宙戦艦ヤマト事件
二、 花子はA店かB店で買い物をし、そのさい、商品Pを買わないときには、たいてい商品Qも一緒に買わない。ある日花子は商品Pを買ってきたが、A店には行かなかったという。このことから、この日花子はB店で商品Qを買ったと判断できる。

1.「第3の候補が参戦しないのなら、大統領は再選されるだろう。第3の候補が参戦したので、大統領は再選されない」という推論が誤っている理由を述べよ。

2.「あなたがうそをついていなかったら、私は謝る」の裏を記せ。

3.「赤い部分は駐車禁止」のとき、「赤い部分以外は駐車禁止でない」ということになるか、ならないか。理由と共に論じよ。

4.以下の文を同じ意味の「ならば」(条件法)を使った文にせよ。
① ジョンとメリーは一緒に外出することはない。
② 紙に書かれたものでないものは何も文字ではない。
③ キリスト以外に神はいない。

〔問い〕
①すべての倫理学者は倫理的である、の否定を作れ。
②或る倫理学者は倫理的である、の否定を作れ。
③すべての日本人は白人でない、と同じ主張をすべての白人を主語にして述べよ。
④或る食品は危険物である、と同じ主張をある危険物を主語にして述べよ。

〔問い〕
①美しい人は、早死にする(佳人薄命)、の否定を作れ。
②倫理学者は、態度がでかい、の否定を作れ。
③努力は、必ずしも報われない、の否定を作れ。

〔宿題〕すべての京風雑煮はカツオだしではない。京風雑煮の中には、くわいの入っているものがある。或るくわいの入っている雑煮にはカツオだしでないものがある。正しい推論かベン図で確かめよ。

 

10.小テスト  解説
[授業目標]これまでの論理学についての復習

11.場合分けを学ぶ リーグ戦・トーナメント戦[教科書:田辺勉(1993)122-125ページ。]
[授業目標]リーグ戦・トーナメント戦の組み合わせを枚挙する

リーグ戦方式の問題
総当りの勝敗表を書くことが基本
勝敗表は対角線を境にして線対称になる。

[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、122-123ページ、例題【7―1】]同率がある場合

A B C D E 勝敗 順位
A × × 2勝2敗
B × 3勝1敗 優勝
C × × 2勝2敗
D × × × 1勝3敗 最下位
E × × 2勝2敗

 優勝者はAに勝っているのでAではない。優勝者はAに勝っているのだから、優勝者はAに負けたC、Eではない。また最下位のDでもありえない。
 ということはBが優勝者で3勝1敗。優勝者が3勝1敗なので、Aは3勝していることはありえず、2勝2敗。ところで優勝者BはAに勝っているから、2勝2敗のAはDに負けた。Dは単独最下位だから、1勝3敗。よってB、C、EはDに勝っている。その他の人間は2勝2敗で、優勝者BはCに勝っている(そうしないとCが3勝1敗で同率首位)。

リーグ戦で引き分け無し・同率無し
全勝から全敗に分布。
上位のものが下位のものに必ず勝つ (裏返せば引き分け・同率がある場合、下位のものが上位のものに勝つ場合がある) 。

[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、125ページ、例題【7―3】]

自分∖相手 A B C D E F 勝敗
A
B
C × ×
D
E ×
F

 CはFより上位であるのでFに勝った。FはEに勝ち、1勝しているので、Fより上位のCは少なくとも2勝している。Cはすでに2敗しているおり、3勝しているAと同率であるはずはないから、2勝3敗。したがってCはAに負けている。Eを除いた5人は少なくとも1勝しているので、0勝5敗はEとなる。可能性として1勝4敗になるのはFのみ。

リーグ戦の試合数=n個のものから2個選んで並べる順列の数P2の1/2、つまりC2=n(n-1)/2

n人の場合の総試合数
・リーグ戦C2=n(n-1)/2    ・トーナメント戦n-1

No.139の考え方-ポイントになるのは場合分け。

A B C D E
A 2
B 2 1
C 1 2
D 4
E 2 4

 1日目に来るのは何だろうか?1日目DE戦はない(AB、ACは戦っているので)から1日目のもう一試合は   戦か   戦のいずれかである。
 1日目のもう一試合が仮に   戦だとした場合、4日目にはすでにDとEが戦っているから、4日目のもう一試合はAB戦でない以上、DともEとも関係のない  戦に限られる。
 同様に1日目のもう一試合が仮にAD戦だとした場合、4日目にはすでにDとEが戦っているから、4日目のもう一試合は   戦でない以上、 とも とも関係のないAC戦に限られる。
 したがって②には  が入る。
 ところで仮に1日目のもう一試合がAE戦とした場合、残り試合がAD・BE・BD・CDとなり、2日目の試合は決定しているから、Dが2日(3日目と5日目)で三試合しなければならず条件に反する。
 故に1日目のもう一試合がAD戦となるから、
③には  が入る。残る四試合をAE戦・BD戦とCD戦・BE戦とに分けると、いずれが3日目でも5日目でも、全試合が条件通り行われる。

〔問い〕配布プリント問題のNo.139,No.140,No.141,No.150,No.151を解くこと。

〔勉強のすすめ〕A~Fの六人が柔道の試合をしました。3人ずつの二組に分かれリーグ戦をして、その後、下のような組み合わせでトーナメント戦をしました。リーグ戦では同率、引き分けはなしでした。①組の3位と②組の2位が対戦し、勝ったものが①組の1位と対戦しました。また②組の3位と①組の2位が対戦し、勝ったものが②組の1位と対戦しました。優勝者は3勝2敗、AとBとの対戦成績は1勝1敗です。CはAとDに負けた。EはBとFに負けた。Fは1勝3敗です。準優勝者は誰でしょう。

12.場合分けを学ぶ 発言推理  GW式[教科書:田辺勉(1993)100-105ページ。]
[授業目標]正直・嘘つきについて、同じグループに属すか・違うグループに属すか判定する

GW法
Aが自分以外の1人Bを指して「Bは正直だ」あるいは「Bが言っていることは正しい」と言ったときには、Aが正直者ならばBも正直者になるし、Aが嘘つきならば、AもBも嘘つきになる。つまりAとBは正直者、嘘つきという分類に対して同じグループに入ることになる。
AがBを指して「Bは嘘つきだ」あるいは「Bが言っていることは誤っている」と言ったときには、Aが正直者ならばBは嘘つきになるし、Aが嘘つきならば、Bは正直者になる。AとBは正直者、嘘つきという分類に対して異なるグループに入ることになる。

 A「Bが言っていることは正しい」→AとBは同じグループ
 A「Bは嘘をついている」    →AとBは違うグループ

AとBの発言内容が一致している場合には、A、Bは正直者、嘘つきという分類に対して同じグループに入ることになる。すなわちAが正しければ、Bの発言も正しいし、Aが間違っていることを言っていれば、Bの発言も間違っている。
AとBの発言内容が正反対の場合は、A、Bは正直者、嘘つきという分類に対して違うグループに入ることになる。ただし正反対とは、片方がもう一方の否定になっているときであり、AとBが両立しないとき両方とも嘘をついていることがある。
Ex.A「今日は日曜日」B「明日は月曜日ではない」は正反対。
Ex.A「明日は日曜日」B「昨日は月曜」は今日が日曜日の場合両方とも嘘。

[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、102ページ、例題【6―2】]
2人が本当のことを言い、3人が嘘をついている。
A:「Bは独身ではありません」×B:「私は独身です」別グループ
C:「Eは独身です」=E:「私は独身です」同グループ
A,Bのいずれか一方は正直者。C,Eが共に正直者ならば、3人が本当のことを言っていることになるから、仮定に反する。A、Bのどちらか正直ものより、C、Eは共に嘘つき。したがって残りのDは正直者。Dのみが独身だから、B、C、Eは嘘つき。Aは正直者。

[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、102-103ページ、例題【6―3】]
「……は外れた」という発言は「……は嘘つきである」、「……は外れではなかった」という発言は「……は正直である」と同じ。
したがってB,Cは別グループ。A,Eは別グループ。C,Dは同グループ。A,Eのいずれか一方は正直者だから、C,Dが正直者ならば、3人が本当のことを言っていることになるから、仮定に反する。故にC,Dは共に嘘つき。Bは正直者。
Aが本当のことを言っているとすると、Bは残念賞で、Eは外れ[Eは嘘つき]。したがってAは嘘をついていない。Aは1等。
Aが嘘をついているとすると、Eは本当のことを言っている。Bは残念賞でない。つまりA,C,Dが外れで、BまたはEが1等と残念賞。したがってBが一等[Bは正直]でEが残念賞。すると嘘をついているはずのDの言っていることが正しくなり矛盾が生じる。故に仮定が誤り。よってAの発言は正しい。

 Aの言っていることが本当か嘘で、場合分けする。

発言の中の論理関係に注目して考える。A→Bという関係が正しいとすれば、Aが正しいときBも正しい。つまりAが正しいなら、最低2人は正しいことになる。

〔問い〕以下の練習問題を解きなさい。[→田辺勉、2001、『標準判断推理 改訂版』実務教育出版、108ページ。]
A~Eの5人でマラソンを行なった結果について、5人それぞれが次のようにA~Eのように述べているが、1人だけ嘘をついている者がいる。このことより確実に言えるのは1~5のどれか。ただし同順位の者はいなかったとする。
A: Bは2位か3位で、Eより順位は上であった。
B: Aの言っていることは本当である。
C: CはBより順位は上であった。
D: Cの言っていることは嘘である
E: Aは2位か3位で、Dより順位は上であった。
1 1位はCであった。  2 2位はAであった。  3 3位はBであった。
4 4位はEであった。  5 5位はDであった。


〔勉強のすすめ〕ある島には正直族と嘘つき族という2つの部族が住んでいる。正直族の者は必ず本当のことを言い、嘘つき族は必ず嘘を言う。この島の住人A~Eが、お互いについて次のような発言を行った。
A 「Bは嘘つき族だ」
B 「Cは嘘つき族です」
C 「Dは×××族なんだ」
D 「Eは嘘つき族なんだよ」
E 「Aは嘘つき族なんですよ」
 ただし、Cの発言の"×××"部分は聞き取れなかったことを表わしている。しかし、この島には正直族と嘘つき族しかいないため、”正直””嘘つき”のどちらかを言ったと考えてよいことにする。このときA~Eについて確実にいえることを、下の①~⑤のうちから2つ選べ。
① AとCは同じ部族である。
② BとDは同じ部族である。
③ Eは嘘つき族である。
④ A~Eのうち、正直族は2人である。
⑤ Cは「Dは正直族なんだ」と言った。
[→伊藤真監修、2003、『適性試験トレーニング問題集』中経出版、37ページ。]

13.場合分けを学ぶ 発言推理  番町式
[授業目標]該当者が一人だけの発言推理問題を解く

番町式
該当者が一人だけで、さらに正直者や嘘つきの人数がわかっている場合、実際に該当者を想定し、表を作ってそのときの正直者や嘘つきの人数を数えていくやり方。
名称は『番町皿屋敷』に由来する。

〔問い〕A~Eの5人がおのおの宝くじを一枚ずつ買ったところ1人だけが当たった。5人に結果を聞いたところ次のようであった。
A: 当たったのはBだ。
B: Aはうそをついている。
C: 僕は当たっていない。
D: 当たったのはBだ。
E: Cの言っていることは本当だ。
本当のことを言っているのは1人だけで、残る4人は嘘をついている。宝くじに当たったのはだれか。(番町式を使って答えよ。)[→資格試験研究会、、2003、『上・中級公務員試験 判断推理』実務教育出版、16ページ、【例題1】]

発言者∖当たった人 A B C D E
A × × × ×
B ×
C ×
D × × × ×
E ×
正直者の数 3人 4人 1人 3人 3人

Cが当たったときのみ、正直者は1人。よって正直者はB。

〔問い〕A~Eの5人がおのおの宝くじを一枚ずつ買ったところ1人だけが当たった。5人に結果を聞いたところ次のようであった。
A: 当たったのはBだ。
B: 僕は当たっていない。
C: 当たったのはDだ。
D: Cはうそをついている。
E: 当たったのはBかCだ。
本当のことを言っているのは2人だけで、残る3人は嘘をついている。本当のことを言っていると確実に言えるのはだれか。(番町式を使って答えよ。)[→資格試験研究会、2003、『上・中級公務員試験判断推理』実務教育出版、18ページ。 ]

〔問い〕配布プリント問題のNo.22,No.23,No.25を解くこと。

14.場合分けを学ぶ 操作の手順・天秤の問題[ 教科書:田辺勉(1993)第九章。]
[授業目標]操作の手順の問題に親しむ

数量関係
分銅の組合せ Ag、Bgの2つの分銅を用いて天秤で重さを計るとAg、Bgはもちろん計れるが、それ以外にAg+Bg、Ag-Bgも計れる。
最も少ない種類の分銅で1g刻みで1g以上の重さを計っていくことにする。
まず1gの分銅が必要である。
次に3gの分銅があると3-1g、3g、3+1gを計ることが出来る。
次に9gの分銅があると9-(3+1)g、9-3g、9-(3-1)g、9-1g、9g、
9+1g、9+3-1g、9+3g、9+3+1gを計ることが出来る。
この作業を続けていくと、4番目の分銅をxgとすると、x-13からx+13まで計ることができる。x-13=14よりx=27
つまりA、Bの2つの分銅でA、B、A+B、A-Bの4通りが計れる。
1g刻みで最も少ない分銅で計るのには30g、31g、32g、33g、34g……

〔補助定理〕x0x1x2…xn1g刻みでΣk=0nxkまで計れる時、新たにxn+1を持ってくれば、xn+1-Σk=0nxkからxn+1k=0nxkまで1g刻みで計れること。xn+1-Σk=0nxkはxn+1x0x1x2…xnとを別々の皿に載せることによって計れる。xn+1と他の側に載っている錘を、〔同じ皿ならAg+Bg、違う皿ならAg-Bgが計れることを利用して、〕1g刻みにxn+1gと同じ皿に移動させていけば、結局xn+1+Σk=0nxkまで1g刻みで計れる。このときxn+1x0x1x2…xnは全て同じ側に載っている。

〔数学的帰納法による証明〕30g、31g、32g、33g、34g…3ngのとき1g刻みで(3n+1-1)/2まで計れる。
n=0のとき1g刻みで(3-1)/2gまで計れる。
n=k-1のとき30g、31g、32g、33g、34g…3k-1gによって1g刻みで(3k-1)/2g=Xkgまで計れると仮定する。
n=kのとき、30g、31g、32g、33g、34g…3k-1gによって1g刻みでXkgまでは計れる。
3k-Xk=3k-(3k-1)/2=(3k+1)/2=Xk+1から3k-1までは、1g刻みで30g、31g、32g、33g、34g…3kgの適当な組合せ(補助定理)で皿に載せて、差を計ることができる。
3kから3k+Xk=3k+(3k-1)/2=(3k+1-1)/2=Xk+1までは、1g刻みで30g、31g、32g、33g、34g…3kgの適当な組合せ(補助定理)で皿に載せることにより、和を計ることができる。
よって30g、31g、32g、33g、34g…3kgによって1g刻みでXk+1gまでは計れる。
ゆえに30g、31g、32g、33g、34g…3ngのとき1g刻みで(3n+1-1)/2=Xn+1gまで計れる。

〔問い〕配布プリント問題のNo.167,No.168,No.169,No.170,No.171を解くこと。

にせがねの問題-基本形
〔答え〕
1回目に9枚の金貨を3等分し、A、B、Cの3枚ずつに分ける。
天秤ばかりは①A=B ②A>B ③A<Bの3通りに計れる(情報は3通り)。
偽物は本物より軽いから、
①A=Bの場合、残りのCの3枚の中に偽物がある。
②A>Bの場合、Bの3枚の中に偽物がある。
③A<Bの場合、Aの3枚の中に偽物がある。
偽物の混じっている3枚の金貨のうち2枚a、bを左右の皿に1枚ずつのせ、残った1枚をcとすると(情報は3*3通りになるから9つものから判別できることになる)
Ⅰa=bの場合、残りのcが偽物
Ⅱa>bの場合、bが偽物
Ⅲa<bの場合、aが偽物

 場合分けに留意せよ。

〔問い〕配布プリント問題のNo.173,No.174,No.175,No.176を解くこと。

鳩の巣の原理
①n+1個のものを、n個の箱にしまうとき、2個以上のものが入っている箱が少なくとも1つある。

同じ都道府県(全47)の出身者が複数人いるようにするには、47+1=48人いればよい。

②kn+1個のものを、n個の箱に分配すると、どのようにしても、k+1個以上のものが入っている箱が少なくとも1つある。

例題 同じ大きさの赤、白、黒、青のボールが100個ずつ1つの袋に入っている。この袋の中から何個か取り出したとき、いずれか1色のボールが確実に25個以上取り出されるためには最低何個取り出せばよいか。
解答 条件を充たさないぎりぎりの状態、すなわち、どの色も25個未満であるような場合の最大個数を考える。4色のボールが各々25個未満、すなわち24個以下であるような最大個数は、すべての色が24個ずつあるとき。すなわち24×4=96個。
これより1個多くすると、どれかの色は25個以上あることになる。すなわち97個取り出せばいずれか1色のボールが確実に25個以上含まれている。

③(条件を充たさない最大値)+1

パーティーにn人の人がいるとき、その中で同じ人数の知人を持つ2人が必ずいることを証明せよ。ただし1人も知人のいない人がパーティーにいることはないものとする。
〔証明〕パーティーに1人の知人もいない人がいることはないものとする。この条件を充たさない同じ人数の知人を持つ者の最大値は1。(もし知り合い同士が一組いたとするなら1人の知人を持つ者は2となるから。) したがって、パーティーにn人の人がいるとき、その中で同じ人数の知人を持つ2人が必ずいる。


〔勉強のすすめ〕一辺1の正六角形の標的に19本の槍を投げると、少なくとも二本の槍の間隔は√3/3以下になることを示せ。

 鳩の巣の原理は新指導要領で新しく教えられることになったから、要注意問題。

15.場合分けを学ぶ 順列・組み合わせ・幾何学の証明[教科書:田辺勉(1993)第十章。]
[授業目標]色々な場合分けの問題に慣れるようにする・そのさい重要になるのは、前提はなにか明確な意識をもつこと

・n個からm個を選んで並べる順列      =nPm
・n個並べる順列でそのうちm個が同じ場合 =nPnmPm=n!/ (n-m)!
・n個からm個を選ぶ組合せ          =nCm=n!/m!*(n-m)!
〔問い〕4人の投手、2人の捕手、5人の内野手、5人の外野手のいる野球チームがある。この中から、1人の投手、1人の捕手、4人の内野手、3人の外野手を選ぶ方法は何通りあるか。

道順
 碁盤上の街路の角の地点から、もう一つの角の地点に最短距離で行く方法

  B
A

 AからBに行く道順は、例えば右-右-上-上-右-右-上-右のように書ける。従って道順の総数は八個の文字がありその内、右五つ、上三つの文字を並べる順列の数に等しい。
したがって 8P83P3×5P58C3=56通り
AからCを経てBに行く道順=AからCに行く道順×CからBに行く道順
AからCを経ずにBに行く道順=AからBに行く道順-AからCを経てBに行く道順


四角形の個数
 六本の縦線、四本の横線からなる格子でできる四角形の個数  6C2×4C2=15×6=90通り

〔問い〕三角形の中線が一点で交わることを証明せよ。
 使える定理:平行線は交わる二線分を等しい比で分ける。中点連結線の定理(三角形の中点の連結線は底辺に対し平行である)。二組の平行線からなる四角形は平行四辺形である。平行四辺形の対角線は互いに他を二等分する。

〔勉強のすすめ〕三角形の三つの頂点から下ろした垂線が一点で交わることを証明せよ。


〔文献一覧〕
伊藤真監修、2003、『適性試験トレーニング問題集』中経出版
野崎昭弘、1976、『詭弁論理学』中公新書。
資格試験研究会編、2002、『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 判断推理』実務教育出版。
資格試験研究会編、2003、『上・中級公務員試験 判断推理』実務教育出版
鈴木美佐子、2004、『論理的思考の技法Ⅰ』法学書院。